No2  緑 の 風

(2001年8月/母B)

風薫る5月、わが家に新風が吹き込んできた。それは今から4年前。息子が小学校3年生で野球と出会った時だ。

それまで幼稚園から小2とサッカーをやっていてスライディングでポーズをつくったり、金魚のフンのように、 ひとかたまりにグランドを行ったり来たりとしていたが、さすがに本人も才能なし!と見切りをつけた時機だった。 そのころよく私や父親とキャッチボールをしていたので、次は「野球をやりたい!」ということから、当時、 いくつかのチームが元気に歓声を上げていた芝山高校前の芝山グランドへ、日曜日の昼下がり、長嶋世代の夫が積極的に 見学に行ったのはいうまでもなかった。

その日、息子が白いヘルメットとなぜか、もみじ饅頭を手に持って玄関に立った時、不吉な予感がした。僕、 「ある野球チームに入部しない?」と誘われたよ、と。「それはどこ?」と聞いて即、知りうる限りの情報を集めた結果、 そのチームは強豪で練習も、さらに監督も厳しいと名が通っていると聞くや否やチームの代表のお宅を探し、 丁重にヘルメットだけ?お返してお断りして来た。

が、その後今度はクラスの友人から「僕達のチームで野球をしない?」と誘われてきた。今度はというと上級生、 下級生みんなで楽しく遊ぶ野球がモットーで練習時のお弁当もおにぎりだけ持たせればいい——、というチームだった。 これは助かる、それに何よりのんびり屋のうちの子向きかなと思った。夫は「強いチームでもまれて勝利を味わえるのと 楽しくやるのとどっちだ」と聞いていたが、息子は即答した。「楽しい方!」と。かくして西習志野グリーンファイターに お世話になることとなった。

始めの3・4年生大会で3位とチョット輝かしい結果があったものの、その後は浮き沈みが激しく、チームが勝利に湧いた時、 監督・コーチ・保護者が一丸となって一生懸命に応援する一方、負けが込んでくると本当は励ましたり、声を掛けて元気を 出させてあげなければいけないのに、「ア〜〜ア」とか「どうして打てないかなー」とか文句が多くなり、いろいろ不協和音も 出たりしたが、現場で子供達を一番見て分かっている監督やコーチにお任せして応援しなくっちゃ、と反省した時はもう 6年も終わりの頃だった。

だが今思い返すと、学区外の小学校から転校生も含め同学年生16名、皆仲良く元気に野球って楽しいんだと巣立って行った 子供達に3年間楽しませてくれてありがとう!!と言いたい。

そしてもう一つ。週末いつも家でゴルフ中継かお笑い番組を見てゴロゴロしていた夫がこれまた見学初日にグリーンの帽子を いただいてきて以来、毎週末楽しげに出掛けて行く姿は想像もしていなかった。わが家に野球の楽しさと夫婦の会話を運んできた グリーンファイターに感謝である。そしてここを通じて知り合ったお母さん達、監督、コーチ方との出会いを大切にしたいと思う。


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