No.41  やさしい仲間に「ありがとう」

鶴岡 冴  平成22年2月 著

私が、幼稚園の時、近所の男の子がグリーンファイターに入団していました。 土曜日になるとユニフォームを着て練習に行く様子を見て、「楽しそうだなあ」と思っていました。 そして、1年生の春、私は父と母に相談して「絶対に泣かないこと」と「六年間続けること」を約束して入団しました。 私以外に女子は一人もいませんでした。

最初は、ルールが全く分からなくて、走塁の練習をしている時に、一塁からセンターに走って、 みんなに笑われてしまったこともあります。キャッチボールのボールを投げては相手に届かず、 捕れないので、ボールを追っかけてクタクタになって一日が終わりました。でも、コーチ達がやさしく教えて下さり、 できるとほめてくれるのがうれしくて、野球に行くのが楽しみでした。

学年も上がり、練習も段々難しくなって、思うようにプレーできないことが増えてきました。 4年生の時に、コーチの打ったノックが思うように捕れなくて、一度だけ泣いたことがあります。自然に涙が出て来たのです。 試合に代打で出ても、空振りしてくやしい思いをしたこともあります。でも、いつも、監督がアドバイスをしてくれて、 もっと頑張ろうという気持ちになりました。5年生の時。塚田クラブとの練習試合で、ライト前ヒットを打った時は、 監督が私以上に喜んで下さったので、私のうれしさも倍増しました。

6年生になって、受験をすることに決め、夏から練習を休むことが多くなりました。ちょうど試合が多くなり、 チームメイトの活躍を毎回コーチをしているお父さんが話してくれました。みんなが上手になってきたこと、 チームがまとまってきたことを聞いて、私も頑張ろうと思いました。

そして、とうとう秋季大会で3位になり、私も表彰式に参加しました。ずっとお休みして、応援にも行けなかった私を、 みんなが当たり前のように列に入れてくれて、トロフィーを持って写真を撮ってくれたことが、とれもうれしかったです。

私達がDチーム(3年)になった時は、チームがバラバラで、なかなかみんなの息が合いませんでした。でも、 6年生になった今は、新しい仲間が増え、26人がひとつになってきたと思います。私は、 やさしくしてくれる仲間がいるこのチームに入って、本当に良かったと思います。

なかなか結果が出ずに、つらいこともありました。でも、続けて来たことで、喜びもたくさんありました。 「泣かないこと」は守れなかったけど、「六年間続けること」で仲間のみんなと卒団できることを喜びに感じています。


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