No11  野球がくれた素晴らしいアルバム

(2004年3月/母H)

「運動会のリレーの選手になった!」

この一言が私の頭上に雷鳴を響き渡らせました。まさに晴天の霹靂(へきれき)です。わが家では、 リレーは紅白の応援をするもので、参加するものではないのです。でも、なってしまいました。

当日は、4組というだけで、アンカーのタスキまで掛けています。それだけでも責任重大なのに、 前走者は2位でバトンを持って来た。「あー!どうしたらいいの!転ばず、抜かれず、2位をキープして!」 と天を仰ぎ見ました。バトンを受け取った息子は、形相険しく必死で走り、2位を守ってゴールしました。 私はもう疲労困憊(ひろうこんぱい)でした。

この非現実的な出来事は、野球をやっていたからこそ現実になったのです。「運動神経を良くする本」 という本の題名どおり、運動神経は向上するものだとも実感しました。

グリーンファイターに入部して3年。毎週の地道な練習が息子を速く走れるようにしてくれました。 しかも足だけではないのです。練習は、基礎体力や打つ、投げる、捕るの技術に即した全身運動なので、 体力はつくし、技術も覚えられました。

柔軟性に欠ける息子は、体中が筋肉痛で、いつも湿布男になっていました。つらくて、苦しくて、 へこたれてばかりいました。それでもチームメイトの後姿を一生懸命追いかけて練習してきました。 だから運動神経、体力と身体が鍛えられ、苦しい練習を克服する根性、精神力(まだまだですが??) も養うことができました。そして努力することも覚えました。 少しずつですが、体力的・技術的・心理的に 成長したと思います。それはチーム14人の成長にもなっていったと思います。

弱小チームで、常に黒星が先行しているチームでした。子供たちはいつも無表情で、萎縮して自信なげにプレーをし、 自分たちの野球が出来ないのです。そんなチームが、5年の秋頃から変わり始め、新人戦4回戦の夏見パワーズ戦では、 子供たちが別人に見えました。

チーム全員に「勝利する」という目的意識が出ていて、自分たちの「ディフェンス型」野球が出来ていました。 チームメイトを信じるプレーに団結力や集中力も感じられる試合で「いつも間に、こんなに強くなったの!」 張り詰めた緊張感が私たちにまで伝わってきて、鳥肌が立ちました。

絶対に勝てると思ったのですが、相手チームの監督の勝利への執念に負けてしまいましたが、 初めて無表情な子供たちが泣きました。

試合の勝負を体験することで自信をつけ、成長していくのだと思いました。勝てそうで勝てない試合が続くばかりで、 本当に勝利への道のりは遠かったのですが、弱小チームががんばってがんばって最後に優勝する映画のような 「船橋シニア杯優勝」でした。みんなの満面の笑顔が忘れられません。

グリーンファイターの指導者のみなさま、野球を知らない子に、一から教えていただき、ありがとうございました。 私もいろいろと勉強させていただき、息子と野球の会話を楽しむことが出来ました。

息子にとって、野球をやって良かったと思える日が必ず来ると信じています。そして、素晴らしいチームメイトが、 いつまでも良き友達であってほしいと願っています。

3年間、ありがとうございました。


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