No20  最高の勲章は、背番号「26」

(2010年2月/母Q)

グリーンファイターに入団したのは、北の国から転校してきた2年前。「超」人見知りで内弁慶の息子を、 前所属チーム全学年の数とほぼ同じ人懐っこい同級生たちが、気持ちよく迎えいれてくれ、 その年のBチーム(5年)の「26」人目の仲間になりました。背番号も「26」をいただきました。

こちらに来て初めての夏。道産子の息子は、想像をはるかに超える猛暑に体がついてゆけず、 あわやランニングホームランか!という長打もスタミナ不足でホームでタッチアウト、なんてこともありました。

6年になり、体力もついて試合に「勝ち」を意識し出した頃、誘われて仲間数人と朝夕の自主練をやり出したのを機に、 その後もほぼ毎日、素振りだけは欠かさなくなりました。当然、手は豆だらけになり、その豆がつぶれ、 皮がめくれた手を心配したチームメイトが、よく効く薬を分けてくれたこともありました。

試合では、勝っても負けても、試合途中でも、よく泣いていました。顕著だったのは、FCC大会3回戦・対三山スワローズ戦。 前の打席でツーアウト満塁のチャンスに凡打した息子は、悔し涙をこらえきれずに守備についていました。 息子の次の打席は、またもやランナー一人を出した後の逆転のチャンス。緊張と期待の重圧の中、粘った末に久々の快音!! ライトオーバーの特大2ランホームラン。緊張から解き放された息子は、泣きながらのホームイン。 指導陣から「ホームランを打って、泣きながら戻ってきたやつは初めてだ」と言われてしまいました。

最後のシーズンも終わりに近づき、賞とは無縁だった息子が、学童部主催の支部対抗戦で東部支部の4番を打たせてもらい、 幸いにもMVPの特別表彰(東部支部長表彰)を受けたことや、若生杯でベストナインに選出されたことは、 代表や監督をはじめ指導者の方々、そして「26」人の仲間のおかげだと、本当に心から感謝しています。

息子は以前、ぽつりと言ったことがあります。「俺、26って好きなんだよねえ」と。キツイ練習もみんなで耐え、 試合でもベンチからの声に力をもらい、「26人一丸(いちがん)」のチームワークを実感した息子の本心なのでしょう。 そんな息子にとって、小学校生活、最高の勲章は、きっと背番号「26」なのだと思います。

グリーンファイターでの2年間。親子で泣いて笑って叱咤激励して、とても楽しい時間でした。 いつかまた成長した26人に再会できる日をいまから楽しみにしたいと思っています。


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